7月10日の参議院選挙は、自民党が大勝した。改憲派の野党を含めれば3分の2の議席を占めることになる。しかしながら、消費税については、生活苦・物価高の状況の下、多くの野党が税率の引き下げ、インボイス制度の中止・廃止を主張した。時限的に5%へ減税(立民、国民)、消費税の軽減税率を段階的に3~0%に引き下げ(維新)、直ちに5%に減税・インボイス中止(共産)、3年間ゼロにする(社民)、消費税とインボイスを廃止する(れいわ)などと選挙公約をした。消費税10%、インボイス制度が信任されたとはとても言えない。

 立憲民主党が3月30日にインボイス廃止法案を衆議院に単独提出、5月30日には日本共産党が消費税減税、インボイス廃止法案を参議院に提出し、6月10日には、立憲民主党、日本共産党、れいわ新選組、社会民主党の4党が消費税減税とインボイス制度廃止を盛り込んだ消費税減税野党共同法案を衆議院に共同提出した。インボイス制度の中止・延期に関する地方議会の意見書は175に達する(5/31現在)。

 中小企業の納税者団体、インボイス制度の中止を求める税理士の会、インボイス制度を考えるフリーランスの会、協同組合日本俳優連合、シルバー人材センターなど多くの個人・団体がインボイス制度についての学習会や集会を重ねた。回を重ねる毎にインボイス制度の実態が明らかにされ、反対・中止・延期の要求が高まっている。インボイス発行事業者の登録をすれば、個人事業主の氏名にとどまらず、任意で登録をする住所や屋号、通称、旧姓などの情報も国税庁公表サイトで公開される。インボイス制度によるプライバシー侵害が危惧される。

 インボイス制度は、事業者免税点制度の実質的廃止であり、中小・小規模事業者にとって、死活問題である。消費税は、負担能力を無視し、赤字企業も課税され、加えて、簡素な税金ではなく、事務作業の複雑化が増し、経営を圧迫することになる。
 私たちは、消費税減税・インボイス制度の中止を強く求める。
 以上、決議する。


 2022年7月30日
 東京税経新人会第66回定期総会